VOC排出削減活動

 地球温暖化対策において温室効果ガスの一つであるVOCは、2004年の大気汚染防止法改正による「法規制」と「自主的取り組み」のベストミックスにより、排出削減が求められています。ほとんどの工業塗装事業者は、「自主的取り組み」対象であるため、業界としての対応が必要不可欠な課題とされています。

 日本では『光化学オキシダントやSPMの原因となる』対象物質である揮発性有機化合物としてのVOCは、塗装に多く用いられています。VOCの排出状況は、固定発生源での塗装プロセスに伴う揮発が約40%と最も多いですが、全体的には各産業のトライにより年々減少傾向にあります。さらに塗装には、環境適応型の塗料や塗装方法もあり、溶剤系塗料から代替採用されている事業所もあります。

 しかしながら塗装プロセスの中でも、塗料希釈剤としてのVOCが塗装ブースなどからそのほとんどが大気放出され、また塗装従事者への暴露により直接健康障害を引き起こす原因物質の存在からリスク防止対策が行われています。VOC排出削減には、着手する改善項目に対する費用対効果や有効性を入念に確認して、排出抑制策を導入し管理しなければなりません。

 塗料選定が、塗膜による製品機能特性上VOCが含まれる溶剤系塗料の場合、作業方法の改善などその工程内の削減(インプラント対策)とVOC除去設備による排出抑制(エンドオブパイプ対策)が行われます。そして、安全安心と要求機能保持を求めた塗膜設計段階による開発促進により、脱VOC材料の代替実現化も進めてまいります。


 

VOC対策の概要

 


 

塗装の自主的取組の割合